【Der scheidende Sommer】


欲張りなんだよ、お前はさ。
人が背負えるものってのは、限られていて。
本来なら、自分の命だけで精一杯だ。
確かに、普通よりもちょっと強い人間は他のものも少しだけ背負うことができる。
でもよ、あくまで少しだけ、だ。
何でもかんでもなんて、無理なんだよ。




お前は生きるのに人一倍一生懸命だった。
お前の両目はいつでも未来を見据えていたし、どんな時でも諦めない強さを持っていた。
だけど、人のためとなると、惜しげもなく自分を差し出す。
それは確かに「強さ」といえるのかもしれない…。
俺からいわせりゃただのバカだがな。
勇気と無謀は違うんだぜ?
荷物の重量をあらかじめ量れないんだろう。
背負ってはじめて耐え切れない重さだとわかると、積荷を降ろすのではなく、自分の膝を折ることの方を考えてしまう。
『本末転倒』って言葉、知らねーんだろうなぁ。
知らねーよなぁ、銀次だもんな。
何に対しても、常に全力投球で真正面から挑んでいくのは、お前の良さでもあり、弱点でもあった。
その無防備な無器用さを、俺は深く愛したけれど。




「行くよ、蛮ちゃん」


「おう、行ってこい」






あの時お前を行かせてなかったら、結末は変わっていたのだろうか。







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