p r o l o g u e
| どす黒い血が、汚水の沁みた灰色の雪に溶け出して広がってゆく。 鼻を突くのは、髪や肉の焼け焦げる異臭。 醜悪だった。 何もかもが胸の悪くなる醜さを晒している。 それでも、暫しの静寂の後訪れたのは、地を揺るがす歓声。 罪人を裁く天の火と、その火を操る帝王とを崇める声が、いまだに雲間から漏れてくる雷鳴すら掻き消して轟き渡る。 稲妻が走り、雪と雨が入り混じって降り注ぐ異様な空の下、 雷帝は求める声に応えて、 片腕を天へ突き上げた。 救いと栄光と力とは わたしたちの神のもの その裁きは真実で正しいからである すべて神の僕たちよ 神を畏れる者たちよ 小さな者も大きな者も わたしたちの神をたたえよ |